マンションや集合住宅にwifi・インターネットを設置する方法は?費用の目安・注意点を解説

 

 

近年wifiやインターネットが必須の設備となったため、「インターネット無料」の物件が増えてきました。マンションや集合住宅のオーナーにとっても、入居希望者を増やせれば家賃をアップできるなど、大きなメリットがありますよね

 

そこで今回は、マンションや集合住宅にwifiやインターネットを設置する方法をご紹介したいと思います。導入するにあたり、費用対効果があるかどうかも確認してみましょう。また、快適なネット環境を提供できるかなど、注意点もぜひご参考くださいね。

 

マンションや集合住宅にはどんなwifi・インターネットを設置できる?

マンションや集合住宅のオーナーが設置できるwifiやインターネットの種類には大きく分けて2種類あります。それぞれの特徴や仕組みをみてみましょう。

 

光ファイバーやLANケーブルの有線回線

 

ひとつめは、光ファイバーやLANケーブルといった有線回線で接続する方法です。さらに、接続する回線の種類によって、次のように分類されます。

 

  • 【光回線各戸専有型】…電柱から引き込まれた光ファイバー回線はいったん通信を制御する機器収納箱に収納されます。さらに各部屋まで光回線を引き込んで接続します。各部屋にwifiルーターを設置することから、宅内設置wifi型ともいいます。初期費用がもっとも費用が高いですが、他の部屋の使用状況に影響を受けることなく安定した通信速度が得られます
  • 【光回線ケーブル型】…光回線を引き込んだ機器収納箱からは、各部屋までLANケーブルを使用して接続されます。電話配線を使用する場合はVDSL方式といいます。
  • 【同軸ケーブル型】…テレビ用に使用される同軸ケーブルで接続するタイプです。通信収納箱からテレビ用収納箱を経由し、各部屋でインターネットが使用できる。ケーブルテレビ会社などが提供しているサービスに多いです。

 

すでに設置されているテレビ線を使用するので工事費を抑えることができますし、各部屋の工事も不要です。

 

wifiなどの無線回線も

 

もうひとつは、wifiなどの無線回線を使用する接続方法です。マンションや集合住宅で導入するさいは、共用部wifi設置型とよばれています。

 

【共用部wifiアンテナ設置型】…引き込まれた光ファイバーケーブルはいったん収納されます。電波が通りやすい木造・軽量鉄骨などの建物の壁面に無線ルーターを設置し、住民で回線を共有します。ホテルやパブリックスペースで利用できるwifiスポットのイメージです。

 

各部屋の工事も必要なく、初期工事費も安いですが、住民の使用状況や建物の構造に影響を受けやすい。

 

マンションや集合住宅のwifi・インターネット導入にかかる費用は?

ここでは、光回線各戸専有型(宅内設置wifi型)と共有部wifiアンテナ設置型の費用相場をみてみましょう。4〜6戸の小規模アパート・集合住宅に導入するさいの目安にしてください。

 

【有線回線】各戸で接続できる宅内設置型wifiの場合

 

初期費用(工事費用):30~40万円

月額使用料(保守費用含む):1~3万円

 

各戸まで光回線を引き込む工事が必要になります。1戸あたりの費用は5万円程度が目安になります。また、各戸あたり月額500円程度の保守やメンテナンス費用も発生します。

 

【無線回線】共用部設置型wifiの場合

 

初期費用(工事費用):10~20万円

月額使用料(保守費用含む):0~2万円

 

宅内設置型wifiの導入に比べると、工事費も保守にかかる費用も安いです。すでに入居者がいる場合、各部屋で工事をおこなうには日程などの調整が必要ですが、その手間も省けます。

 

マンションや集合住宅にwifi・インターネットを導入するさいの注意点

最後に、マンションや集合住宅にwifi・インターネットを導入するさいの注意点をみてみましょう。住民に喜んでもらえるサービスか、そして、導入することの費用対効果をよく検討してくださいね。

 

快適な通信速度を知っておく

 

「インターネット無料」と謳っていながら、快適なネット環境を提供できなければ住民からのクレーム対象にもなりかねません。インターネットの速度は「〇〇bps」と表示されていて、ほとんどのインターネット業者は1Gbpsの速度で提供しています。しかし、マンションや集合住宅でwifi・インターネットを導入するさいには、基本的に1つの回線を共有することになります。

 

たとえば8戸の物件なら1戸あたりの速度は120Mbpsということになります。ただし、インターネット業者が提示している速度は理論上の最大速度のため、じっさいにはその十分の一程度、12Mbpsになります。

 

以下に目的別にベストな通信速度をまとめましたのでご参考ください。1戸あたり最低でも10Mbpsは欲しいところです。

 

  • インターネットの閲覧:1~10Mbps
  • ネット動画の視聴:10~30Mbps
  • 高画質動画やオンラインゲーム:30Mbps~

 

それでも満足のいく速度が得られない場合、所有物件の回線が1Gbpsに対応できない、鉄筋コンクリートでできていて電波が繋がりにくいなどの理由が考えられます。

 

【参考:BUFFALO「wifiの速度の目安は?ストレスのないwifi環境をつくろう!」

 

費用対効果があるのかどうか

 

マンションや集合住宅にwifi・インターネットを設置する費用は決して安くありません。導入するさいには、ランニングコストも含めて、トータルで費用対効果があるかよく検討しましょう。

 

たとえば、入居者が比較的高齢であったり、単身のサラリーマンが多い場合、設備が整っていても必ずしも入居者の満足度をあげられるとは限りません。また、そもそも家賃の安さを魅力にしているなら、賃料を値上げしてまでwifi・インターネットを導入するのかどうか、検討の余地もあるでしょう。

 

アフターフォローや解約時の条件など

 

wifiやインターネットの設備には維持管理や保守が大切です。また、回線トラブルは突然起こってしまうことも少なくありません。業者に依頼するさいは、設置後のアフターフォローも確認しておきましょう。維持費が月額の使用料に含まれていることが多いですが、場合によっては、機材の修理や出張費用などが別途必要になります。

 

また、導入したものの思ったような効果がない場合、解約をすることになるでしょう。契約年月未満では違約金が発生することもあるので、時前に確認をしておくと安心です。

 

まとめ

 

マンションや集合住宅にwifi・インターネットを導入すれば、物件としても価値があがるので、競合物件との差別化や家賃アップにもつながります。導入する方法は有線回線か無線回線とがあり、それぞれメリット・デメリットがあります。また、費用も大きく異なります。

 

有線での光回線専有型(宅内設置型wifi)は、コストはかかるものの、建物の構造や入居人数に影響されず安定した速度で利用できます。共用部設置型wifiは、低コストで導入できますが、環境に左右されやすいです。導入のさいには費用対効果を意識しましょう。

 


Contact
お問い合わせ